矯正治療のリスクや副作用について

虫歯・歯肉炎・歯周炎

矯正装置をつけると、歯磨きがとても難しくなります。装置の周りなど磨きにくい部分は特に虫歯や歯周炎のリスクが高くなります。間食を控え、毎日丁寧な歯磨きを行い、歯を清潔にしてリスクを抑えましょう。

また、歯科医院で矯正治療中に合った歯磨き指導を受けたり、歯をクリーニングすることや、フッ素塗布なども行っていただく必要があります。

装置の痛みや違和感

  • 矯正装置を装着した直後や、ワイヤーを交換した直後に痛みを感じることがあります。個人差もありますが、数日で収まる場合が多いです。
  • 固いものが一時的に噛みにくくなります。また、ガムやキャラメルなど、装置に引っかかるものが食べられなくなることもあります。
  • 矯正装置の影響で一時的に滑舌が悪くなったり、発音しづらくなることがありますが徐々に慣れてきます。
  • 矯正治療中、装置が舌や頬に当たることで口内炎が出来ることがあります。必要に応じて、装置をカバーする材料(ワックス)を使用していただくこともあります。また、出来た口内炎に対しては治癒を早めるためのレーザーを当てることも出来ます。
  • 歯並びが治っていく過程の中で、冷たいものを飲んだときにしみる「知覚過敏」があらわれる場合がありますが、数日で改善されます。長期間痛む場合は、相談して下さい。

抜歯・麻酔

  • 矯正をしたい箇所に十分なスペースがない場合は、抜歯を必要とする場合もあります。健康上問題のない歯の抜歯の場合もあります。
  • 抜歯する場合は麻酔注射を行います。麻酔の中には、成分に心拍数、血圧を上げる作用があるものもあるため、心臓や血圧に問題がある方が使用すると、動悸、血圧上昇を起こす場合があります。
  • また、頬を噛んでもわからなかったり、熱いものを飲んでもわからないため、口腔内を傷つけるリスクがあります。さらに、麻酔によって悪心、嘔吐、アレルギー反応が起こることもあります。

歯根吸収の発現

  • ある程度の歯根吸収は発現しますが、適正な矯正力による歯根吸収は修復され、最小限に留めることができます。また歯根吸収を引き起こすような矯正力をかけることはできるだけ避けるようにします。

治療期間の延長

  • 定期的な来院、口腔ケア、矯正装置の使用等において患者さんの協力が得られない 場合、治療の中断や延長を余議なくされる場合があります。
  • 舌で歯を押す癖や、歯並びに悪影響をあたえる癖が改善されない方は、治療期間が延びる場合があります。

歯肉退縮

  • 矯正歯科治療に伴い、歯肉の退縮や付着歯肉の喪失を生じることはあります。このような現象は、歯を支えるための歯槽骨がなく、角化した付着歯肉がほとんどない場合に特に頻繁に認められます。歯肉退縮を認める歯については、治療を開始する前に付着歯肉を増大して歯肉を上げるなどの処置を考慮します。

矯正治療後の保定について

  • 矯正治療で歯を動かして歯並びを整える「動的治療」を終えて歯並びが改善されても、まだ歯が元の位置に戻ろうとする傾向があるため、一定期間動かした歯をとどめておく保定が必要です。歯の位置が安定するまでの保定期間には個人差があるので、治療後も定期的に通院していただくようにお願いします。
  • 保定装置の使用時間を守れなかった場合、矯正した歯並びが戻ってしまい再治療が必要になる可能性があります。
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